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2017 April - カナダの高校生の大学進学アドバイス

 日本の高校や大学を出てからカナダに移民して家族を持たれた方は、カナダで育ったお子さんの大学進学について疑問をお持ちかもしれません。ジャパナビではカルガリーの高校卒業後にオンタリオ州クイーンズ大学の工学部に進学し、さらに最近就職された津野雄大さんに、その過程やこれから大学進学を考えるお子さんへのアドバイスについてまとめていただきました。

高校在学中から準備すること
 カナダの大学は、日本と違い入学試験をほとんどの場合行いません。その代わり高校の成績(通常12年生時の成績のみ、稀に11年生時の成績)が入学審査の材料になります。出願書を出すのは11月頃。志望する大学や学部にもよりますが、ほとんどの場合出願時の高校成績が75%以上、工学部などは少し高めの85%以上がないと受け入れてもらえません。さらに出願時の成績をもとに入学が認められても、高校卒業時までその成績を保たなければ入学許可は取り消されます。なおアルバータ州の高校の最終成績は、12年生の終わりに受ける州統一試験(Provincial Exams)の結果と授業での成績との両方が5割ずつ考慮されます。
 また学部によっては必ず取らなければいけない科目や単位があります。例えば生物学部に入りたければ当然ですが生物の単位、工学部に入りたければ物理の単位が要ります。その科目を取っているだけでなく、その科目の成績も良くなければいけません。11年生の段階でどの大学のどの学部に行きたいかを大体決めておき、高校卒業までに取らなくてはならない科目を予め調べておきましょう。
 なお高校の成績が良ければ奨学金を出してくれる大学や学部は多々ありますので、高校の時から頑張る甲斐があります。アルバータ州の高校生には「Alexander Rutherford Scholarship」という奨学金制度への応募資格があり、5科目平均が80%以上あると必ず$2,500の奨学金が貰えます。


学費は比較の余地あり
 学費は大学や学部によって大きく異なります。例えば私の母校クイーンズ大学の芸術・科学部の年間学費は約$7,500、工学部は約$15,000なのに対し、ビクトリア大学の工学部は約$7,400、科学部は約$6,000です。またケベック州の大学は同州内の高校卒業生を優先したり、学費を割り引いたりするなど、州別の優遇措置があるので調べてみる価値があります。

就職は大学知名度よりも実績やインターンシップ重視
 高校生の時に大学入学のことを考えるだけでも精一杯と感じるかもしれませんが、大学卒業後の就職も考慮が必要です。カナダの企業は大学の知名度や成績よりも、在学中に何をしていたかを重視する傾向があります。このためインターンシップや職業訓練(co-operative education)プログラムの詳細、クラブや生徒役員の活動内容を調べるのがいいかもしれません。ちなみに私が今の会社に就職できた理由は、大学在学時に参加していた「Queen’s SpaceEngineering Team」のおかげと言っても過言ではありません。

大学の選び方
 私は大学の大きさや、興味のある学部の有無や評判、その学部の4年間のカリキュラム、キャンパスの外見、キャンパスの所在都市・地域などを判断材料に高校の担任教師や大学入学カウンセラーと相談し、どの大学が自分に合っているか決めました。目当ての大学のキャンパスツアーに参加することをお勧めします。
 参考までに、私がクイーンズ大学に決めた第一の理由は、工学部の専攻科を二年目まで決めなくて良かったことです。ほとんどの大学の工学部は一年目から専攻を決めなければなりません。高校を出たばかりの自分が工学部で何を専攻したいか分かるわけがないので、一年目には工学系全般の授業を取ることができ、二年目から専攻を決められる点が大きな魅力になりました。第二の理由はキャンパスです。高校11年生の時にオンタリオ州ほとんどの大学のキャンパスツアーに行ってきましたが、その時に特に印象に残ったのがクイーンズ大学のキャンパスでした。なんと言っても歴史を感じ、綺麗で、ここに通ってみたいとその時思いました。私は卒業生なので少し贔屓があるかもしれませんが、クイーンズでの学生生活はとても楽しく、良い思い出がたくさん残せたので正しい選択だったと自負しています。
著:津野雄大


卒業生による大学紹介


University of Toronto
紹介者:津野雄大
専攻:電子工学(修士)
著名卒業生:フレデリック・バンティング(インシュリン発見者)
2016年 CWUR世界大学ランキング:世界第30位、カナダ第1位
特色:
トロント大学は1850年に設立され、メインのトロントダウンタウンキャンパスを含む3つのキャンパスにカナダ最多の約8万6千人の学生が通っています。カナダの大学の中でも世界的に名の通る大学の一つです。敷地内に博物館、公園、遺跡、美術館などがあり、勉強以外にも豊かな学生生活を過ごせることが特徴です。工学部、医学部など多くの分野で北米トップクラスであり、卒業生にはノーベル賞受賞者が10人、複数のカナダ首相が数えられます。カナダ最大の都市にあるということもあり、キャンパスの近くに学生生活を楽しめる場所が沢山あります。



Queen’s University
紹介者:津野雄大
専攻:電子工学
著名卒業生:デビッド・ジョンソン現カナダ総督
2016年 CWUR世界大学ランキング:世界第287位、カナダ第13位
特色:
クイーンズ大学は、カナダの国家成立を26年も遡る1841年ヴィクトリア女王の勅許を受け、トロントとモントリオールのちょうど中間に位置するオンタリオ州キングストン市に設立された公立大学です。オンタリオ湖の北岸にあり、ダウンタウンからは徒歩約10分。歴史深いキャンパスの建物は創立当時と外観がほぼ変わらいないものもあり、ネオゴシックの美しい様式を保っています。特に工学部と経営学部が優秀で、数々の賞を獲得したりランキングで名を挙げたりしています。2015年にはクイーンズ大学のマクドナルド教授が東京大学の梶田教授と共にノーベル物理学賞を受賞しました。クイーンズは高円宮憲仁親王が留学した大学でもあり、キャンパスの中心部にあるスタッファー図書館には記念碑が飾られています。テスラモーターズやスペースエックスで有名なイーロン・マスクが最初に通った大学でもあります。他にもハッブル宇宙望遠鏡の修復に携わった宇宙飛行士やカナダ国旗の父など数々の偉人がクイーンズ大学を卒業しています。



McGill University
紹介者:齋藤慎平
専攻:経営学
著名卒業生:ジャスティン・トルドー現カナダ首相、ウィリアム・シャトナー(俳優)、レナード・コエン(ミュージシャン)、ヘンリー・ミンツバーグ(経営学者)
2016年 CWUR世界大学ランキング:世界第42位、カナダ第2位
特色:
1821年に創立されたマギル大学は、ケベック州モントリオールの都心にキャンパスを置き、研究大学機関として世界的に高い評価を受けています。学生数は約4万人。その医学部はカナダトップレベルと言われ、またカナダの大学の中で最多の12人のノーベル賞受賞者を輩出しています。フランス語圏内にありますが、授業は基本的に全て英語で行われます。上智大学では、マギル大学のMBAの授業が受講可能です。



University of Alberta
紹介者:プロソリン美希
専攻:ラテンアメリカ文化学(修士)
著名卒業生:リチャード・E・テイラー(ノーベル物理学賞受賞)、ジョージ・スタンレー(カナダ国旗のデザイナー)、ウェイン・グレツキー(ホッケー選手。2000年名誉法学博士号授与)、栗本祐一(1930年卒、同大初の外国人留学生。栗本学園・名古屋商科大学の創立者)
2016年 CWUR世界大学ランキング:世界第101位、カナダ第4位
特色:
1908年に設立されたカナダを代表する世界的な研究・教育機関。約200の学士課程と150以上の修士・博士課程があり、カナダ第二の規模を誇る研究図書館を持ちます。研究や論文に力を入れている大学でありながら、学費は同レベルの学校より割安感があります。冬の夜中にはシカの群れの中を通り抜けて帰宅したり、オーロラが見えたりする確率も高いです。



University of Calgary
紹介者:藤本直人
専攻:国際関係学
著名卒業生:スティーブン・ハーパー前首相、ナヘド・ネンシ現カルガリー市長
2016年 CWUR世界大学ランキング:世界第173位、カナダ第8位
特色:
1966年に創立されたカルガリー大学は、石油・天然ガス産業のお膝元という立地も手伝って、工学部とビジネス学部はとても人気が高い分野です。他にも教育、薬学、法学、看護学、福祉学、運動学、動物医学、科学等の様々な学部があり、約2万5千人の学生が勉学に勤しんでいます。1988年にカルガリーで開かれた冬季オリンピックの競技場にもなったスケートリンクなどスポーツ施設が充実しているのも特徴です。





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