頼りがいのある良きお姉さんのような存在として、カルガリーの日本人コミュニティーで信頼を集めるズンバインストラクターの黒澤あおいさん。いつも元気で快活な笑顔のあおいさんに、ズンバを通して人々に活力を与え、精力的に活動する彼女のパワーの源について伺ってみました。
ズンバとの出会い
13年前にカルガリーに移住し、二人の息子に恵まれ、主人が念願の自営業を始め、今思うと穏やかな専業主婦生活を送っていました。ところが次男が2歳の時に自閉症と診断され、言葉では言い表せないようなショックを受けました。長男は4歳で目が離せない時期だったのでしっかりしなければいけないと思う反面、子供達の将来を憂い悩み、心のバランスが崩れていくのを感じました。そんな時、友人がズンバのレッスンに誘ってくれたのです。次男は私以外の誰にも懐かないので預けるのは気が引けたけど、ストレスを解消しないと自分が壊れると思って通い始めました。ラテンのリズムと体を動かすことが自分に合っていたんだと思います。週1回のその1時間が私だけの時間。自由で、何もかも忘れられ心が軽くなりました。ズンバやズンバ仲間には、どれだけ励まされ助けられた事かわかりません。
インストラクターへの道
ズンバを始めて1年後、ズンバ音楽を聴いていたら、3歳になった次男が楽しそうに踊っているのです。自閉症の子供が初めて音楽というものに興味を持ったのですから、もう全身に電流が走る思いでした。ズンバの音楽に合わせて体を揺すっている姿を見て、涙が止りませんでした。それと同時に、「私でも教える事が出来るかもしれない」という希望の光が射しました。調べてみると病院、施設、そして障害を持つ人達にズンバを教えるインストラクターがいることがわかりました。自閉症を持つ子供達に教えれたらという気持ちから出発。子供達が小さいので時間を工面するのは大変でしたが、いつも私がやりたい事を応援してくれる夫の理解と協力のもと、インストラクターの資格取得にやっと漕ぎ着けました。 私が家でズンバの練習をしている時、子供達も一緒に踊ります。こうして楽しい時間を共有することが出来るのもズンバの醍醐味です。ズンバに魅了されるにつれ、少しでも多くの人に楽しんで貰いたいという気持ちが強くなり、日系会館（CJCA）やカルガリー日本語コミュニティー学校（CJCS）でクラスを持つほか、定期的にスポーツクラブ、学校、プリスクールの子供達にも教えるようになりました。そして初心貫徹、年に数回は障害を持つ方の施設や団体にてボランティアで教えています。ズンバの魅力は、老若男女誰もがラテンのリズムや色々なジャンルの音楽に乗って楽しくフィットネスが出来る事です。基本クラスでは1時間で約600〜1000カロリーを消費します。1時間平泳ぎを続けるのと変わらない消費量なのです。
人生の転機
ズンバがきっかけとなり、今自分がやるべき事が何なのかが明確になりました。今は応用行動分析学（Applied Behavior Analysis）の勉強をし、次男の早期療育に力を入れています。障害を持って産まれた次男のお陰で色んな出会いがあり、人生に対する価値観が変わりました。ましてやズンバインストラクターになろうとは夢にも思いませんでした。ズンバインストラクターの資格取得と同時進行で学んだ応用行動分析学は私の人生の宝物。ズンバのお陰で人生の暗い谷底から這い上がることができ、さらにカルガリーや日本で活躍するズンバ仲間達と出会い、共に学び、心豊かに充実した生活を送ることができるようになりました。
今後の目標
目下、毎週プールで「アクアズンバ」指導のトレーニング中です。実は小さい頃から水泳と水球をやっているのでアクアズンバには自信があります。そして、今年からは新しいズンバゴールドとアクアズンバクラスを教える予定です。日本人だけでなく、幅広い地域の人々と交流を深めることが出来たら嬉しいなと思います。
黒澤あおい
プロフィール：福岡県博多生まれ名古屋育ち。名古屋女子大学短期大学卒業。いったん就職するも、旅行業界で働く夢を追いかけバンクーバーのツーリズム＆ホスピタリティ専門学校に留学。その後、添乗員として世界を飛び回り、2003年に夫の黒澤知之さんと渡加。９歳と７歳の男児の母であり、3年前から日系会館やカルガリー日本語コミュニティー学校などでズンバクラスを開催している。ズンバベーシック、ズンバゴールド、ズンバキッズ＆ジュニア、アクアズンバ、グループフィットネス、エアロビクス＆ フィットネスアソシエーションオブアメリカ国際資格を有する。
協力Etch Hair Design
ヘア・大庭つゆき／メイク・大元聖美
Suite B, 1410 - 4 St. SW Calgary
(403) 457-5797
www.etchhair.com
ズンバとの出会い
13年前にカルガリーに移住し、二人の息子に恵まれ、主人が念願の自営業を始め、今思うと穏やかな専業主婦生活を送っていました。ところが次男が2歳の時に自閉症と診断され、言葉では言い表せないようなショックを受けました。長男は4歳で目が離せない時期だったのでしっかりしなければいけないと思う反面、子供達の将来を憂い悩み、心のバランスが崩れていくのを感じました。そんな時、友人がズンバのレッスンに誘ってくれたのです。次男は私以外の誰にも懐かないので預けるのは気が引けたけど、ストレスを解消しないと自分が壊れると思って通い始めました。ラテンのリズムと体を動かすことが自分に合っていたんだと思います。週1回のその1時間が私だけの時間。自由で、何もかも忘れられ心が軽くなりました。ズンバやズンバ仲間には、どれだけ励まされ助けられた事かわかりません。
インストラクターへの道
ズンバを始めて1年後、ズンバ音楽を聴いていたら、3歳になった次男が楽しそうに踊っているのです。自閉症の子供が初めて音楽というものに興味を持ったのですから、もう全身に電流が走る思いでした。ズンバの音楽に合わせて体を揺すっている姿を見て、涙が止りませんでした。それと同時に、「私でも教える事が出来るかもしれない」という希望の光が射しました。調べてみると病院、施設、そして障害を持つ人達にズンバを教えるインストラクターがいることがわかりました。自閉症を持つ子供達に教えれたらという気持ちから出発。子供達が小さいので時間を工面するのは大変でしたが、いつも私がやりたい事を応援してくれる夫の理解と協力のもと、インストラクターの資格取得にやっと漕ぎ着けました。 私が家でズンバの練習をしている時、子供達も一緒に踊ります。こうして楽しい時間を共有することが出来るのもズンバの醍醐味です。ズンバに魅了されるにつれ、少しでも多くの人に楽しんで貰いたいという気持ちが強くなり、日系会館（CJCA）やカルガリー日本語コミュニティー学校（CJCS）でクラスを持つほか、定期的にスポーツクラブ、学校、プリスクールの子供達にも教えるようになりました。そして初心貫徹、年に数回は障害を持つ方の施設や団体にてボランティアで教えています。ズンバの魅力は、老若男女誰もがラテンのリズムや色々なジャンルの音楽に乗って楽しくフィットネスが出来る事です。基本クラスでは1時間で約600〜1000カロリーを消費します。1時間平泳ぎを続けるのと変わらない消費量なのです。
人生の転機
ズンバがきっかけとなり、今自分がやるべき事が何なのかが明確になりました。今は応用行動分析学（Applied Behavior Analysis）の勉強をし、次男の早期療育に力を入れています。障害を持って産まれた次男のお陰で色んな出会いがあり、人生に対する価値観が変わりました。ましてやズンバインストラクターになろうとは夢にも思いませんでした。ズンバインストラクターの資格取得と同時進行で学んだ応用行動分析学は私の人生の宝物。ズンバのお陰で人生の暗い谷底から這い上がることができ、さらにカルガリーや日本で活躍するズンバ仲間達と出会い、共に学び、心豊かに充実した生活を送ることができるようになりました。
今後の目標
目下、毎週プールで「アクアズンバ」指導のトレーニング中です。実は小さい頃から水泳と水球をやっているのでアクアズンバには自信があります。そして、今年からは新しいズンバゴールドとアクアズンバクラスを教える予定です。日本人だけでなく、幅広い地域の人々と交流を深めることが出来たら嬉しいなと思います。
黒澤あおい
プロフィール：福岡県博多生まれ名古屋育ち。名古屋女子大学短期大学卒業。いったん就職するも、旅行業界で働く夢を追いかけバンクーバーのツーリズム＆ホスピタリティ専門学校に留学。その後、添乗員として世界を飛び回り、2003年に夫の黒澤知之さんと渡加。９歳と７歳の男児の母であり、3年前から日系会館やカルガリー日本語コミュニティー学校などでズンバクラスを開催している。ズンバベーシック、ズンバゴールド、ズンバキッズ＆ジュニア、アクアズンバ、グループフィットネス、エアロビクス＆ フィットネスアソシエーションオブアメリカ国際資格を有する。
協力Etch Hair Design
ヘア・大庭つゆき／メイク・大元聖美
Suite B, 1410 - 4 St. SW Calgary
(403) 457-5797
www.etchhair.com
2017年1月号の記事
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