Parents Sponsorshipとは何か?
カナダに移民する方法は数多く存在し、条件や移民申請の流れはそれぞれ異なってくる。家族移民は、カナダ市民または永住者がスポンサーになることでカナダ国外にいる家族を呼び寄せるもの。この場合は経済移民とは異なり、呼び寄せられた家族は職歴や学歴に関わらずカナダ入国後、就労許可証の取得なしにすぐ働けるというメリットがある。
配偶者をスポンサーする結婚移民はよく知られているが、自分の両親または祖父母を呼ぶことが出来る「Parents Grandparents Program(PGP)」の存在はあまり知られていないかもしれない。また高齢者は公的医療や社会保障制度に依存しやすいため、親を呼ぶことが難しいと考えている人は多いのではないだろうか?しかしPGPを通しての移民受入数は2014年にわずか5千人だったものが段階的に引き上げられ、2018年1月に1万人、さらに2019年1月には2万人になったことはあまり知られていない。競争率が高いことに変わりはないが、審査期間が大幅に短縮され受入枠も拡張されたことを考えると、より現実的なオプションになったと言えるだろう。また条件さえ満たしていれば、父親と母親を同時に呼び寄せることも可能である。
スポンサー資格
家族移民のスポンサーになるための必須条件は、年齢18歳以上で永住権または市民権を有しており、かつカナダに居住していること。過去に破産宣告をした人や犯罪歴のある人、カナダ政府に対し責務不履行がある人はスポンサー資格に影響するので注意したい。また呼び寄せる親とは血縁関係または養子縁組で繋がっていなければならず、義両親を呼び寄せることはできない。
Interest to Sponsor Formとは
親のカナダ移民をスポンサーする場合、スポンサーはカナダ市民または永住者であり、カナダに住んでいなければならない。また移民申請を行う前のステップとして、カナダ政府から「Invitation to Apply」(以下招待状)と呼ばれる事前許可をまず受けなければならない。これを受けるためには「Interest to Sponsor Form」という、スポンサーに親を呼び寄せる意思があることを示す書類をネット上でカナダ移民局(Immigration, Refugees, and Citizenship Canada)に提出する必要がある。 「Interest to Sponsor Form」の受付件数と招待状の発行数にはそれぞれ上限が設けられており、2019年は2万7千件までが受付けられ、その中から2万通の招待状が発行された。「Interest to Sponsor Form」の受付が始まる時期は毎年ネット上で公開されるが、2019年は1月28日に受付が始まり、受付開始後約10分間で応募数の上限である2万7千件に達し、受付は打ち切られた。
Minimum Necessary Income(MNI)とは
さらに親をスポンサーする場合、スポンサーにはある程度の経済力が求められるため、過去三年間の収入が移民局の設定する最低所得額(Minimum Necessary Income、以下MNI)を上回ることが条件として付く。MNIは家族構成によって上下するが、国の定める低所得基準値(Low-Income Cut Off)を元に計算され、毎年上昇傾向にある。なお申請してから呼び寄せた家族が永住権を取得するまでの期間中ずっと、MNI以上の収入を維持しなければならない。
以下にその最低所得額を表で示したが、家族の人数はスポンサー自身と呼び寄せる親、そしてスポンサーの扶養家族の合計となる。独身のスポンサーが両親を同時に呼ぶ場合の家族人数は3人になり、結婚して子供が1人いて両親を呼ぶ場合は家族人数5人となる。スポンサーの所得額はカナダ歳入局(Canada Revenue Agency)の発行する所得税書類「Notice of Assessment」を元に算出され、雇用保険の支給金、児童手当や社会扶助手当等は除外される。自らの収入がMNIに満たない場合や働いていない場合は、配偶者を連帯スポンサー(Co-signer)とすることが認められており、配偶者の収入を自分の収入に加算することが出来る。ただし配偶者もスポンサーとなるための条件をすべて満たしている必要がある。
Undertakingとは
スポンサーは呼び寄せた家族を経済的に支える義務があり、申請時にその誓約書である「Undertaking」に署名することが要求される。これはスポンサーとして、呼び寄せた家族がカナダ政府から生活保護などを受けないよう金銭的な責務を負うことを約束するものであるが、スポンサーが親の生活費等を全て負担するという意味ではない。スポンサーされた親は永住権取得者であり、就労が認められて雇用保険や年金などは受けられるので、カナダ政府から生活保護を受けるような状況に陥った場合のみ、政府に代わりスポンサーが支払い義務を請け負う形になる。呼び寄せる家族との関係によってこの誓約書の適用期間は異なるが、親を呼ぶ場合は20年間となる。また共同申請者になった配偶者も同様の責任を同期間負うことになり、婚姻関係が破綻した場合も継続する。
Parents Sponsorship 申請のプロセス
前述の通り家族を呼び寄せる移民申請の場合、一般的にスポンサー(カナダ在住の子供)が「Interest to Sponsor Form」を提出して親を呼ぶ意思を示すところから始まり、「Invitation to Apply」という招待状を受け取って初めて移民申請をすることができる。ここで明確にしておきたいのが、移民の申請者になるは日本在住の親であって、カナダで居住している子供ではないということだ。親の移民申請の過程で申請者本人の審査とスポンサーの審査がそれぞれ区別して行われるため、子供がスポンサーとして認められても親の移民申請が認められないということも十分考えられる。
1.Interest to Sponsor Formの提出
前述の通り「Interest to Sponsor Form」はスポンサー申請の前段階なので、移民申請に必要な書類とすべて集めておく必要はなく、求められる情報はスポンサーの氏名、生年月日、出生国、住所、Eメールアドレス、そして申請者(親)の氏名等だけである。これらの基本情報以外にも、スポンサーのカナダでの滞在資格を証明するPRカードやカナダのパスポート等の身分証明書の提出も求められる。なお所得を証明する書類の提出は求められないが、過去3年間の収入がMNIに達しているかも聞かれるため、事前に所得額を確認しておく必要がある。
2.Invitation to Applyの受理
2018年は「Interest to Sponsor Form」を提出した人の中から無作為に招待状(Invitation to Apply) が送られていたが、2019年からは「Interest to Sponsor Form」を漏れなく正確に記入した人の中から先着順で招待状が送られた。この招待状をカナダ政府から受け取って初めて、親の移民申請をする権利が与えられる。移民申請は招待状を受け取ってから60日間以内に行わなければならず、申請書類には申請者(親)本人の署名が必要なため、事前にそれなりの準備が必要となる。ケースによって必要書類は異なるが、スポンサー(子供)と申請者(親)の両方がそれぞれ提出しなければならない書類がある。フォームの記入に不備があったり、必要な書類が全て揃っていなかったりすると全て送り返されてしまうので注意したい。
3.スポンサーの審査
移民局に申請書類を送付したら、まず審査されるのはスポンサー資格を満たしているかどうかだ。過去3年間の収入はもちろんだが、前述の通り親が移民としてカナダへ入国するまでMNI以上の収入を維持しなければならないので、雇用の変化には注意すべきだ。年間所得の証明を求められる場合もある。永住者の場合は、永住者としてのカナダ居住義務を満たしているかの審査もある。家族関係の審査は、血縁関係の証明に加え過去の申請書類と一致しているかどうかも見られるため、スポンサー自身の移民申請書類で家族関係を明確にしていない場合は、親を呼ぶことはできない。
4.移民申請者の審査
スポンサーの審査に合格すると、今度はスポンサー審査書類と照らし合わせた移民申請者(親)の審査が始まる。スポンサーとの親子関係はもちろんのこと、申請者の健康状態を判断するための健康診断や、犯罪歴を調べるため過去に居住した全ての国の犯罪証明書を提出するよう求められる。健康診断の結果、年間$20,517または5年間で$102,585以上の医療費がかかるとみなされた場合は、一般的なカナダ国民以上に公的医療制度に依存する可能性が高いとみなされ、移民申請は却下される。また申請後に移民局から指定される期間内に、カナダ政府指定の場所で指紋と顔写真(Biometrics)を取り提出することも求められる。
申請期間
2019年、「Interest to Sponsor」の受付は1月28日に開始され、招待状の送付は4月27日に終了した。スポンサーと移民申請の両方を合わせた審査期間は、現在20~24カ月間となっているが、その時の申請者数や書類の揃い具合によって前後する。指紋・顔写真、健康診断、犯罪証明書の提出が遅れると審査期間が長引く要因となる。
申請費用
申請費として移民局に払うのは、「Sponsorship Fee」$75と「Application Processing Fee」$475、そして移民申請が認められなかった場合には返金される「Right of Permanent Resident Fee」$550ドル。その他、申請後に指紋と顔写真に$85の「Biometrics Fee」、健康診断に「Medical Exam Fees」もかかる。健康診断は移民局認定の診療所で受ける必要があり、費用は診療所ごとに異なるがカナダ国内で受ける場合の大体の相場は一人約$400だ。申請に移民コンサルタントや移民弁護士を雇う場合、これらの費用は通常弁護士料等には含まれず別途自己負担となる。個人で申請手続きを行う場合は最低でも一人当たり$1,500はかかる計算だ。
昔に比べて移民審査の期間は劇的に短くなったものの、親を呼び寄せる過程にかかる期間は長い。また他の家族移民と異なって、「Interest to Sponsor Form」を使った申請方法に多くの人が不満と疑問を抱いているのも事実だ。しかしそれだけ多くの人が注目している移民手段でもあり、近年は親の受入数が増加の傾向にある。ここで書いた様々な条件やルールはまたいつ改定されるかわからないが、親を日本に残してカナダで生活するという不安を取り除く手段として、PGPを頭の片隅においておくことは決して悪いことではないだろう。近い将来、より公平で速やかな申請過程が実現する日が来るかもしれない。
*この記事は2019年6月現在の情報に基づいて書かれたものです。
兵吾侑輔
カナダ公認移民コンサルタント
・High Summit Immigration Consultancy
・Regulated Canadian Immigration Consultant (RCIC) ICCRC # R530517
・Member of Canadian Association of Professional ImmigrationConsultants(CAPIC)
・Member # R18693
Website : highsummitimmigration.com
カナダに移民する方法は数多く存在し、条件や移民申請の流れはそれぞれ異なってくる。家族移民は、カナダ市民または永住者がスポンサーになることでカナダ国外にいる家族を呼び寄せるもの。この場合は経済移民とは異なり、呼び寄せられた家族は職歴や学歴に関わらずカナダ入国後、就労許可証の取得なしにすぐ働けるというメリットがある。
配偶者をスポンサーする結婚移民はよく知られているが、自分の両親または祖父母を呼ぶことが出来る「Parents Grandparents Program(PGP)」の存在はあまり知られていないかもしれない。また高齢者は公的医療や社会保障制度に依存しやすいため、親を呼ぶことが難しいと考えている人は多いのではないだろうか?しかしPGPを通しての移民受入数は2014年にわずか5千人だったものが段階的に引き上げられ、2018年1月に1万人、さらに2019年1月には2万人になったことはあまり知られていない。競争率が高いことに変わりはないが、審査期間が大幅に短縮され受入枠も拡張されたことを考えると、より現実的なオプションになったと言えるだろう。また条件さえ満たしていれば、父親と母親を同時に呼び寄せることも可能である。
スポンサー資格
家族移民のスポンサーになるための必須条件は、年齢18歳以上で永住権または市民権を有しており、かつカナダに居住していること。過去に破産宣告をした人や犯罪歴のある人、カナダ政府に対し責務不履行がある人はスポンサー資格に影響するので注意したい。また呼び寄せる親とは血縁関係または養子縁組で繋がっていなければならず、義両親を呼び寄せることはできない。
Interest to Sponsor Formとは
親のカナダ移民をスポンサーする場合、スポンサーはカナダ市民または永住者であり、カナダに住んでいなければならない。また移民申請を行う前のステップとして、カナダ政府から「Invitation to Apply」(以下招待状)と呼ばれる事前許可をまず受けなければならない。これを受けるためには「Interest to Sponsor Form」という、スポンサーに親を呼び寄せる意思があることを示す書類をネット上でカナダ移民局(Immigration, Refugees, and Citizenship Canada)に提出する必要がある。 「Interest to Sponsor Form」の受付件数と招待状の発行数にはそれぞれ上限が設けられており、2019年は2万7千件までが受付けられ、その中から2万通の招待状が発行された。「Interest to Sponsor Form」の受付が始まる時期は毎年ネット上で公開されるが、2019年は1月28日に受付が始まり、受付開始後約10分間で応募数の上限である2万7千件に達し、受付は打ち切られた。
Minimum Necessary Income(MNI)とは
さらに親をスポンサーする場合、スポンサーにはある程度の経済力が求められるため、過去三年間の収入が移民局の設定する最低所得額(Minimum Necessary Income、以下MNI)を上回ることが条件として付く。MNIは家族構成によって上下するが、国の定める低所得基準値(Low-Income Cut Off)を元に計算され、毎年上昇傾向にある。なお申請してから呼び寄せた家族が永住権を取得するまでの期間中ずっと、MNI以上の収入を維持しなければならない。
以下にその最低所得額を表で示したが、家族の人数はスポンサー自身と呼び寄せる親、そしてスポンサーの扶養家族の合計となる。独身のスポンサーが両親を同時に呼ぶ場合の家族人数は3人になり、結婚して子供が1人いて両親を呼ぶ場合は家族人数5人となる。スポンサーの所得額はカナダ歳入局(Canada Revenue Agency)の発行する所得税書類「Notice of Assessment」を元に算出され、雇用保険の支給金、児童手当や社会扶助手当等は除外される。自らの収入がMNIに満たない場合や働いていない場合は、配偶者を連帯スポンサー(Co-signer)とすることが認められており、配偶者の収入を自分の収入に加算することが出来る。ただし配偶者もスポンサーとなるための条件をすべて満たしている必要がある。
家族人数 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
---|---|---|---|---|
2人 | $40,379 | $39,813 | $39,372 | $38,618 |
3人 | $49,641 | $48,945 | $48,404 | $47,476 |
4人 | $60,271 | $59,426 | $48,768 | $57,642 |
5人 | $68,358 | $67,400 | $66,654 | $65,377 |
6人 | $77,095 | $76,015 | $75,174 | $73,733 |
7人 | $85,835 | $84,631 | $83,695 | $82,021 |
8人目以降、家族1人に付き追加される額 | $8,740 | $8,616 | $8,521 | $8,358 |
Undertakingとは
スポンサーは呼び寄せた家族を経済的に支える義務があり、申請時にその誓約書である「Undertaking」に署名することが要求される。これはスポンサーとして、呼び寄せた家族がカナダ政府から生活保護などを受けないよう金銭的な責務を負うことを約束するものであるが、スポンサーが親の生活費等を全て負担するという意味ではない。スポンサーされた親は永住権取得者であり、就労が認められて雇用保険や年金などは受けられるので、カナダ政府から生活保護を受けるような状況に陥った場合のみ、政府に代わりスポンサーが支払い義務を請け負う形になる。呼び寄せる家族との関係によってこの誓約書の適用期間は異なるが、親を呼ぶ場合は20年間となる。また共同申請者になった配偶者も同様の責任を同期間負うことになり、婚姻関係が破綻した場合も継続する。
Parents Sponsorship 申請のプロセス
前述の通り家族を呼び寄せる移民申請の場合、一般的にスポンサー(カナダ在住の子供)が「Interest to Sponsor Form」を提出して親を呼ぶ意思を示すところから始まり、「Invitation to Apply」という招待状を受け取って初めて移民申請をすることができる。ここで明確にしておきたいのが、移民の申請者になるは日本在住の親であって、カナダで居住している子供ではないということだ。親の移民申請の過程で申請者本人の審査とスポンサーの審査がそれぞれ区別して行われるため、子供がスポンサーとして認められても親の移民申請が認められないということも十分考えられる。
1.Interest to Sponsor Formの提出
前述の通り「Interest to Sponsor Form」はスポンサー申請の前段階なので、移民申請に必要な書類とすべて集めておく必要はなく、求められる情報はスポンサーの氏名、生年月日、出生国、住所、Eメールアドレス、そして申請者(親)の氏名等だけである。これらの基本情報以外にも、スポンサーのカナダでの滞在資格を証明するPRカードやカナダのパスポート等の身分証明書の提出も求められる。なお所得を証明する書類の提出は求められないが、過去3年間の収入がMNIに達しているかも聞かれるため、事前に所得額を確認しておく必要がある。
2.Invitation to Applyの受理
2018年は「Interest to Sponsor Form」を提出した人の中から無作為に招待状(Invitation to Apply) が送られていたが、2019年からは「Interest to Sponsor Form」を漏れなく正確に記入した人の中から先着順で招待状が送られた。この招待状をカナダ政府から受け取って初めて、親の移民申請をする権利が与えられる。移民申請は招待状を受け取ってから60日間以内に行わなければならず、申請書類には申請者(親)本人の署名が必要なため、事前にそれなりの準備が必要となる。ケースによって必要書類は異なるが、スポンサー(子供)と申請者(親)の両方がそれぞれ提出しなければならない書類がある。フォームの記入に不備があったり、必要な書類が全て揃っていなかったりすると全て送り返されてしまうので注意したい。
3.スポンサーの審査
移民局に申請書類を送付したら、まず審査されるのはスポンサー資格を満たしているかどうかだ。過去3年間の収入はもちろんだが、前述の通り親が移民としてカナダへ入国するまでMNI以上の収入を維持しなければならないので、雇用の変化には注意すべきだ。年間所得の証明を求められる場合もある。永住者の場合は、永住者としてのカナダ居住義務を満たしているかの審査もある。家族関係の審査は、血縁関係の証明に加え過去の申請書類と一致しているかどうかも見られるため、スポンサー自身の移民申請書類で家族関係を明確にしていない場合は、親を呼ぶことはできない。
4.移民申請者の審査
スポンサーの審査に合格すると、今度はスポンサー審査書類と照らし合わせた移民申請者(親)の審査が始まる。スポンサーとの親子関係はもちろんのこと、申請者の健康状態を判断するための健康診断や、犯罪歴を調べるため過去に居住した全ての国の犯罪証明書を提出するよう求められる。健康診断の結果、年間$20,517または5年間で$102,585以上の医療費がかかるとみなされた場合は、一般的なカナダ国民以上に公的医療制度に依存する可能性が高いとみなされ、移民申請は却下される。また申請後に移民局から指定される期間内に、カナダ政府指定の場所で指紋と顔写真(Biometrics)を取り提出することも求められる。
申請期間
2019年、「Interest to Sponsor」の受付は1月28日に開始され、招待状の送付は4月27日に終了した。スポンサーと移民申請の両方を合わせた審査期間は、現在20~24カ月間となっているが、その時の申請者数や書類の揃い具合によって前後する。指紋・顔写真、健康診断、犯罪証明書の提出が遅れると審査期間が長引く要因となる。
申請費用
申請費として移民局に払うのは、「Sponsorship Fee」$75と「Application Processing Fee」$475、そして移民申請が認められなかった場合には返金される「Right of Permanent Resident Fee」$550ドル。その他、申請後に指紋と顔写真に$85の「Biometrics Fee」、健康診断に「Medical Exam Fees」もかかる。健康診断は移民局認定の診療所で受ける必要があり、費用は診療所ごとに異なるがカナダ国内で受ける場合の大体の相場は一人約$400だ。申請に移民コンサルタントや移民弁護士を雇う場合、これらの費用は通常弁護士料等には含まれず別途自己負担となる。個人で申請手続きを行う場合は最低でも一人当たり$1,500はかかる計算だ。
昔に比べて移民審査の期間は劇的に短くなったものの、親を呼び寄せる過程にかかる期間は長い。また他の家族移民と異なって、「Interest to Sponsor Form」を使った申請方法に多くの人が不満と疑問を抱いているのも事実だ。しかしそれだけ多くの人が注目している移民手段でもあり、近年は親の受入数が増加の傾向にある。ここで書いた様々な条件やルールはまたいつ改定されるかわからないが、親を日本に残してカナダで生活するという不安を取り除く手段として、PGPを頭の片隅においておくことは決して悪いことではないだろう。近い将来、より公平で速やかな申請過程が実現する日が来るかもしれない。
*この記事は2019年6月現在の情報に基づいて書かれたものです。
兵吾侑輔
カナダ公認移民コンサルタント
・High Summit Immigration Consultancy
・Regulated Canadian Immigration Consultant (RCIC) ICCRC # R530517
・Member of Canadian Association of Professional ImmigrationConsultants(CAPIC)
・Member # R18693
Website : highsummitimmigration.com
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