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2019 October - 固定資産税の税率

 カルガリーとエドモントン両市では、固定資産税(Property Tax)の税率が毎年4月に発表されるのをご存知でしたか?この税率は市や自治体ごとに異なり、また州政府の税率にも左右されるものです。
 毎年それぞれの市議会は市の行政に必要な予算案の審議・承認を行います。まずは全体的な支出を算出し、そこから各種許可・免許の発行や諸サービス使用料による収入、そして州政府からの助成金を差し引いて、足りない分を市の固定資産税として市民から徴収します。このため固定資産税の税率は毎年異なります。ちなみに諸サービスとは、警察、公共交通網、レクレーション施設、公園などの運営が含まれます。
 さて住宅を購入されている方には、毎年1月に市から「Property Assessment」が届きますが、これは市が所有家屋の価値を査定した評価額の通知です。固定資産税率はこの評価額にかかり、評価額$1毎に支払われる税額を反映しています。例えば2019年のカルガリー市の税率は0.0066540ですので、もしも評価額が$500,000の住宅なら、それに0.0066540を掛けた$3,327がその年の固定資産税額となります。ちなみに同年のエドモントンの税率は0.0090806とカルガリーよりも高く、同じ$500,000の評価額の場合$4,549.30の税額となります。なお住宅以外に、非住宅物件(商業施設など)と農地などに対しては別の税率が設けられており、2019年の非住宅の税率に関して言えば、カルガリーは0.0220217、エドモントンは0.0218496と後者の方が低いことがわかります。同じ$500,000の評価額の物件でも、非住宅の場合の税額はカルガリーで$11,010.85、エドモントンで$10,924.80と住宅を大幅に上回っています。
 さらにあまり知られていないのは、市政府は州政府に代わって州の固定資産税も徴収している点です。そのため皆さんが市から受け取る固定資産税額の通知や市のウェブサイトには、市の固定資産税率と州政府の徴収する州固定資産 税率がそれぞれ記載されており、その合計税率がその年の固定資産税としてまとめて市政府により徴収されます。州政府が各市や地方自治体 から徴収する固定資産税額は自治体ごとに異なり、その税収は州の公共教育制度の運営費に充てられるとされています。カルガリー市のウェブサイト(出展参考)によると、2019年の固定資産税として徴収された税額の61%が市の歳入へ、残りの39%が州の歳入へ組み込まれるそうです。
 毎年固定資産税発表の時期が来ると税率に関する非難が市議会に集中しますが、実はその税額は 市の権限外にある州政府の方針にも大きく左右されるものであることを来年4月に思い出してくださいね。




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