JAPANとALBERTAから、JAPANAB(じゃぱなび)と名付けられた無料タウン情報誌。
アルバータ州在住の輝く日本人に焦点を当て、面白く、役立つ情報を発信中。
1月1日、4月1日、7月1日、10月1日に発行される季刊誌です!

2019 October - カナダの大学進学にかかるお金の話

 日本で育ったジャパナビ読者にとって、自分の子供がカナダの大学に通う頃になるまでカナダの大学費用は馴染みの少ないトピックかもしれません。2018年政府統計によると、カナダの大学の平均年間授業料は約$7,000(大学や専攻学科により大きく異なります)。その他にも教科書代や学生保険、設備使用料などを含む$2,000~$5,000の追加費用が毎年見込まれます。さらに生活費も入れると年間の総費用は$20,000~$30,000かかると言われています。
 カナダでは公的な学資援助(Student Aid)の種類として奨学金、低所得家族への助成金、学生ローンなどがあります。学生ローンを利用してカナダの大学を卒業した人の平均負債額は$28,000。なかなか厳しい社会人のスタートになります。

Alberta Student Aid とCanada Student Loan
 公的な学生ローンには州政府(ここではAlberta Student Aidについて書きます)とカナダ政府(Canada Student Loan)からの二種類があります。まず州政府のローンにフルタイムの学生として申込むと、自動的にカナダ政府の方の査定も行われます。借入限度額は、親の収入もしくは自分や配偶者の収入、RESP、貯金などを考慮して決めるため、借り入れる個人の状況により異なります。両政府のローンを足した最大の借入限度額は、3学期ごとに$22,500($7,500/学期)。医療系の場合は3学期ごとに$37,500と限度額はやや高くなります。在学中に支払い義務はなく、卒業後は支払いが不要な6ヵ月の猶予期間を経て、ローン返済がはじまります。
 低所得者向けの助成金の金額は、家庭全体の収入やその家庭の子供数により変わります。パートタイムで勉強している学生には、財政援助もあります。奨学金の場合、支給額は専攻によって異なり、専攻を変えない限り返済義務はありません。
 ローンや助成金など全てにおいて、申請してからお金を受け取るまでに6~8週間かかる可能性があるので、入学に必要な最初の学費分は貯金しておかないと心配ですね。

決して低くない金利
 学生ローンの金利は、カナダ学生ローンの場合はカナダの5大銀行のプライムレートに、アルバータ州の場合はCIBC銀行のプライムレートに基づいており、住宅ローンのように変動金利と固定金利のいずれかを選ぶことができます。今春に決定したカナダ連邦政府の2019年予算によると、カナダ学生ローンの金利が今年11月から大幅に引き下げられます。

                 2019年10月31日まで  2019年11月1日以降
カナダ     変動金利    プライムレート+ 2.50%   プライムレート
        固定金利    プライムレート + 5%   プライムレート + 2%
アルバータ   変動金利     プライムレート      プライムレート
        固定金利    プライムレート + 2%   プライムレート + 2%
(CIBCを含むカナダ5大銀行のプライムレートは9月現在で3.95%)

 ちなみに日本政府の教育ローンは金利が低いけれど、最大借入額は4年間の総額で350万円。さらに連帯保人が必要で、連帯保証人が立てられない場合は保証料がかかります。カナダの場合は金利が8.95%(今年11月前にカナダ連邦政府から固定金利で借りた場合)と高いけれど、連帯保証人の署名が必要ないのは親にとって老後資金を守るためにも大きな利点です。

学資貯金でストレス軽減
 学生ローンの支払いは社会人になってから始まりますが、このローンを完済するのに通常9年~15年間かかるそうです。卒業後10~15年というと多くが家庭を持ち始め、家を買ったり出産だったり色々とお金のかかる時期と重なりますね。親としては子供の教育費は出してあげたいけど、いきなり何千ドルというお金を調達するのはさすがに厳しい。それなら、小さな額からこつこつと貯めていく毎月自動引き落としの学資貯金がお薦めです。
Registered Education Saving Plan (RESP)
 カナダには、連邦政府によって認可され、税制上の優遇措置が付与された高等教育資金形成制度(Registered Education Saving Plan、以下RESP)があります。親や祖父母等が資金を拠出し、子や孫の将来の高等教育費に備えるために利用されることが多く、利用者の所得制限がなく、政府給付金の付与や運用益の納税先送りなど魅力も多いことから、広く利用されている制度です。
 RESPは学資貯蓄のための投資口座です。受益者(進学する子供)がカナダ居住者であれば、誰でも加入者(親など貯蓄を行う人)となることができます。ただし、加入者、受益者とも社会保険番号(Social Insurance Number)が必要で、RESPを扱う金融機関によってはカナダ居住が加入の条件となることもあります。17歳以下の子供を受益者としてRESP口座を開設すると、毎年の入金額に応じてCanadian Education Saving Grant(以下CESG)という政府の補助金がもらえます。子供が小さいうちからコツコツと貯金していくと、とってもお得なプランですが、このCESG補助金の使用は、教育機関への進学が条件となります。
RESPのメリット
  1. RESP口座には子供一人に対して一生涯最高$50,000まで入金可能です。RESP口座に入金するとその年の入金額の20%相当の金額がCESG補助金として支給されます。ただし、受け取る補助金の上限は年間$500(入金額$2500分)、子供が17歳になる年の年末まで受けられる補助金の生涯最高額は$7,200です。
  2. RESP 資金を使える期間は子供の口座を設けてから35年以内なので、いったん就職したけれど、数年後に進学したい場合も使用できます。
  3. 世帯収入の制限なく、どなたでもRESP口座を開設できます。
  4. CESG補助金の利用が認められるのは、大学、短期大学、専門学校の学費だけでなく、その他教育プログラムも最短3週間のものやカナダ国外の学校にも対応。もちろん、RESP口座にある元本分の資金は進学時の生活費にも充当可能。
  5. RESP口座で運用された収益は、RESP口座にある限り課税対象外となりますが、引き出して子供の教育費の支払いに充てた時点で子供の所得と見なされ課税対象となります。多くの場合、子供は学生なので、あってもアルバイト程度の低収入のはずで、収入に加算されても課税額は僅かでしょう。
  6. 世帯収入によっては基本の20%の補助金に加え、さらに最初の$500の入金に対し追加で10~20%の追加補助金が貰えます。
  7. 低所得者であれば上記に加え、生涯最高額$2,000の追加支給があります。
RESPのリスク
  1. 子供が高校卒業後進学しない場合、これまで給付されたCESG補助金は国に返済しなければなりません。他に子供がいればその子をRESPの受取人に指定してプランを継続することや、または親(自分)のRegistered Saving Plan (以下RSP)へ移動する事が可能な場合もありますが、RSPの振り込み枠がない時や、他に子供がいない場合は、元金の部分は返ってきますが、CESG補助金の部分は国に返済しなければいけません。かつ収益額が全て課税の対象となります。
  2. 子供が15歳になる年までにRESPに少なくとも$2,000、もしくはその15年間のうち1年間で$100以上入金した年が4年ないと16,17歳の時には補助金を貰えません。
  3. 基礎的なルールは政府によるものであっても貯蓄プランや細かい規制等はRESPを取り扱う銀行や会社によって異なります。子どものための貯金の運営・返還は各会社しだい。知識不足のまま貯蓄を続けていれば、いつの間にか貯金額が減っていたという可能性もあります。
RESPを利用した学費支払いのタイミング
いざ学費支払いとなると、振り込み手続きから一週間程で指定された支払先銀行口座に入金されます。どこの金融機関も不備がない限り数週間かかることはないそうです。振込先は親、子供(Beneficiary)、学校、その他と選べます。引き落としの注意点は、最初の学期に限り補助金と投資の利益分の引き下ろしは、フルタイムの学生で最高$5,000まで、パートタイムで$2,500までとなっていること。元本からの引き下ろしに制限はありません。2学期目からは制限なしで下ろせます。 あと大切なのは、社会保険番号に表記されている名前と大学からの入学許可書類(Proof Of Enrollment)に表記されている名前が一致していること。そうでなければ引き落とせません。また入学許可書は年に一回、もしくはRESPの運営会社によっては毎回下ろす時に提示が必要ですので、親子間のコミュニケーションが必要です。



0 件のコメント:

コメントを投稿