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2020 SKYT - カナダでマイホーム!住宅購入の順序を徹底解説

by J Capital Realty 高坂聡 & Jencor Mortgageウェネンジャー美和

 築数年を重ねても価格が日本のように低下しないカナダの住宅。家族構成や経済状況の変化に応じて買い替えるのが一般的です。資産価値が下がりにくく、時には上昇さえする理由に、移民流入による人口増加、海外からの不動産投資、就労率の成長、都市近郊への人気集中などがあげられます。ではさっそく住宅購入の7つのステップを見てみましょう。

1)希望物件の検討

 まずは住みたい地域、家のスタイル(新築、中古、一軒家、コンド、タウンハウス等)、ガレージの有無やキッチンの大きさ等これだけは外せない、もしくはこれは金額次第で妥協できるといった条件をリストアップしましょう。


2) 予算と住宅ローン額の確認

 住宅ローンが必要な場合は、銀行やモーゲッジブローカーの住宅ローンアドバイザーに事前審査を申込み、最大融資額を確認した上で、購入可能な物件を探索しましょう。不動産探しをする際には、リアルターと呼ばれる仲介エージェントを通す場合や、ビルダーと呼ばれる不動産建設会社と直接やり取りする場合がありますが、いずれにしてもプリアプルーバル(Pre-Approval)という融資の仮認可を取っているかを聞かれます。融資額事前審査は住宅ローン申請者の収入や頭金の額、クレジットレポート(負債、負債履歴、支払遅延)の情報に基づきます。

TIP:新移民にありがちな、クレジットスコアがない問題

 プリアプルーバルで重要なのがクレジットスコア。これは個人がクレジットカードや車のローン返済、光熱費や携帯電話の月々支払い等をこれまできちんと行ってきたかを点数化したものです。カナダに移住し、将来は家を持ちたいと思ったら直ぐに2種類のクレジットカードを申請しましょう。現金や銀行のデビットで支払いを済ませていると、クレジットレポート履歴が残りません。またカードの月々の利用可能枠を少額に設定していると考慮に値しないので、最低でも3千ドル以上に設定しておくことが望ましいでしょう。実際の利用額は最大利用可能枠の半分位に留め、必ず期日まで済ませる事によって信用点数が高くなります。必要履歴は基本2年間以上なので、住宅購入に前もって準備する事をお勧めします。


3)リアルターの選択と物件探し

 リアルター(REALTOR®)は不動産取引ライセンスを所持し、かつCanadian Real Estate Associationが運営母体である不動産情報データベースMLS®(Multiple Listing System:不動産業者が市場に出ている売り物件をネットワーク上で共有するシステム)にアクセスすることのできる仲介エージェントです。買い手(以下バイヤー)の代理人になって物件選びのお手伝いから、物件見学、物件査定、オファーの作成、交渉、契約完了まで一連の不動産取引をリードする役目を担うので、リアルターには信頼のおける人物を選び、希望条件を細かく正確に伝えましょう。家の売買に際し、リアルターへの手数料は基本売り手(以下セラー)が支払うので、バイヤーは手数料を払う必要がありません。ご自身でもMLS®(www.realtor.ca)から情報を得ることが出来るので、気に入った物件があったら番号を控えてリアルターに伝えると良いでしょう。
 新築物件に関しては、通常ビルダーと呼ばれる住宅建設会社の営業担当者が直接売買の契約書を作るので、リアルターを介しません。しかし言語の壁やビルダー側の営業担当者との交渉に不安があれば、信頼出来るリアルターを通して交渉を代行してもらう事も可能です。


4)条件付きオファー

 気に入った物件が見つかったらリアルターと相談しながら買取りの提示額、買取額に含む家電等の記載、希望物件所有日、手付金額等の詳細を決めていきます。ここで特筆したいのが、条件付きオファーという良く用いられる手段です。価格等の前述の詳細をバイヤーが提示してセラーと概ね合意に至った際、それを仮契約とし、本契約に至るために更に必要な条件を両サイドが履行するための執行猶予期間(通常1週間~2週間程度)を設けることを条件付きオファーと言います。

一般的に広く受け入れられる代表的な条件:
•住宅ローン融資許可

 バイヤーの住宅ローン融資許可が降りるかどうかを確認するため、金融機関に必要な書類全てを即急に提出し、確約書(Commitment Letter)を受領すること。バイヤーが被雇用者か自営業かによって提出書類の条件が異なりますが、必要書類の例には、頭金に充てるのに十分な自己資金があることを証明するための、過去3ヶ月分の銀行残高証明書等の書類、住宅ローンを月々支払うことが可能なだけの収入があることを示すための最近2回分の給与明細、雇用証明書、源泉徴収票(T4)、過去2年分の確定申告通知書(Notice of Assessment)、確定申告申請書(T1General)などが挙げられます。プリアプルーバルの段階で事前に全書類を提出しておくと、より早く確約書を受け取る事が出来ます。

•ホームインスペクション

 住宅診断の専門家による点検。買おうとしている物件になんらかの欠陥があるかどうか、改修すべき個所があればその費用などを第三者的立場からアドバイスしてもらいます。通常オープンハウスなど短い見学の後、すぐに物件購入のオファーを入れないと物件が売れてしまうことが多いので、バイヤーはその物件に隠れた大きな欠陥がないことを前提に購入のオファーをせざるを得ません。条件付きオファーを用いれば、バイヤーには仮契約中に物件を精査する機会が与えられ、その結果を待って本契約とするか否かを決断することができます。

•集合住宅の関連書類

 購入物件がコンドミニアムやタウンハウスのような集合住宅の場合、住宅ローンを申請する先の金融機関によってはその集合住宅全体の精査も必須となります。戸建て物件購入と大きく異なる点として、購入ユニットのみならず当該コンドミニアムのシェア(株式)も同時に購入するからです。集合住宅にはエレベーターや建物内の通路等の共有部分がつきもので、それを管理する共同母体は全てのユニットオーナーを株主とするコンドミニアムコーポレーションとなります。したがって購入希望者やローンの融資元は、コンドミニアムドキュメント(財務諸表や居住規則等)の提出を求め、その運営状況などを本契約前に精査します。

•セールオブバイヤーズホーム

 住替え等で、現在所有している物件を売却して頭金に充てる場合には、その物件が一定期間内に売れる事を条件とするセールオブバイヤーズホームという条件をつける手段もあります。しかしこの条件を嫌うセラーは多く、融資の段取りも複雑なため、まずは住宅ローンアドバイザーとリアルターに相談することをお勧めします。

 バイヤーはこれらの条件を付けたオファーをすることにより、すべての結果に満足して本契約に進むか、あるいは再考の後オファーを白紙撤回するかの決断が可能です。


5)条件付きオファーが合意し契約成立

 条件付きオファーが受け入れられた場合(Acceptance)、数日以内に手付金(Deposit)を支払う必要があります。手付金は本契約に至る場合は購入代金の一部として充当され、あるいは正当な理由を以て仮契約を白紙撤回する場合には全額返金されます。オファーに組み込んだ条件を全てクリアするための必要書類集めや専門知識の獲得を考えると気が遠くなるかもしれませんが、それら一切をリードするのがリアルターや住宅ローンアドバイザーなので助言を求めましょう。


6)本契約と不動産登記

 本契約に入るとリード役として弁護士の出番となります。カナダでは不動産登記手続き・登記簿への住宅ローン抵当の設定は弁護士が行います。リアルターからは一連の売買契約書関連書類が、住宅ローンアドバイザーからは融資関連書類が金融機関経由で弁護士事務所へ送られ、書類面でのバイヤーの最終手続きが行われます。
 不動産所有日の1~2週間ほど前に、バイヤー本人が必ず弁護士事務所を訪ね、必要書類に署名をします。その際、弁護士事務所から指示に基づき、頭金の残高(購入代金から住宅ローン融資額と手付金を差し引いた額)に弁護士料を足した金額のバンクドラフトを持参します。
 この際、住宅保険の加入の証明も必要となるので、物件売買の交渉成立後すぐに何社かの見積もりを取って調べておくと良いでしょう。それらの必要書類を持って弁護士事務所を訪れ、購入者本人が不動産登記関連書類と住宅ローンの本契約書に署名します。
 また電気・上下水道・ガス・ごみ収集等の公共サービスの新規アカウント開設や各種住所変更や郵便転送手続き、引っ越し手配なども不動産所有に先立って行うことを忘れずに。


7)祝!物件所有日-クロージング

 不動産所有日には、午前中にセラー・バイヤーそれぞれの弁護士事務所間で売却代金の送金が行われ、セラー側で入金の確認がとれると鍵の引き渡し許可が出され、晴れてその物件のオーナーになります。鍵はリアルターから受け取りますが、送金手続きが遅れたりして鍵の引き渡しが遅れることもあるため、所有日の午後に予定すると良いでしょう。  家の購入は大変な労力を要する大きな決断です。良い物件は誰が見ても良い物件なので競争率が高く、長く売りに出されているのになかなか売れない物件にはそれなりの訳があります。毎月の住宅ローンだけでなく、土地税、光熱費、コンドミニアムの場合は管理費の支払いも発生するので、きちんと計画して購入する事が大切です。分からない事、不安な事は事前にリアルターや住宅ローンアドバイザーに相談しましょう。




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