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2020 April - コンドミニアムの所有者必読!アルバータ州コンドミニアム不動産法の改定と損害保険の値上がり

 アルバータ州政府(サービスアルバータ)は2020年1月1日、コンドミニアム不動産法におけるコンドミニアム損害保険の控除免責額(Deductible)に関する条項を改定しました。以下で詳しくみていきましょう。

控除免責額(Deductible)って何?
 控除免責額というのは保険金が下りた時、査定保険金額から控除される額で、言わば契約者の自己負担金です。損害保険には控除金がつきもので、コンドミニアム管理株式会社が建物にかけている損害保険も例外ではありません。

“コンドミニアム管理株式会社”って誰のこと?
 集合住宅であるコンドミニアムの建物は、その建物内全ユニットの住戸所有者(Unit Owner)から成るコンドミニアム管理株式会社によって管理されています。詳しく言うと、アルバータ州では、コンドミニアムの開発事業が州政府に登録されると、コンドミニアム管理株式会社が設立されます。建物全体や共有スペースの維持・管理など、日常的な運営を指揮するのが管理株式会社です。全ての住戸所有者は、自ら選出した取締役会(Board of Directors)を通じ、管理株式会社の様々な運営決断を下します。実際の業務は専門業者に委託するのが一般的ですが、中には取締役会の理事自らが管理業務を行う自主管理型もあります。

1月1日から何が変わったの?
 今回の改定により、コンドミニアム管理会社は、あるユニットの入居者もしくは住戸所有者(Unit Owner)が建物(共有部分)に損害を与えた場合、過失があろうとなかろうと、その住戸所有者に対して損害保険の控除免責額(Deductible)の支払いを最高5万ドルまで求めることができるようになりました。
  例えば、貸しているコンドミニアムのバルコニーで入居者が煙草を吸い、その不始末で建物全体が火事になったとします。ビル全体の損害保険(火災保険を含む)は全住戸所有者が月々支払うコンドミニアム管理料に含まれているので、その損害は補償されます。しかし保険金が下りる際は控除免責額が差し引かれます。今まではその控除免責額分を損害を引き起こした住戸所有者に請求することがで きませんでしたが、この改定により請求できるようになりました。この請求の最高額は5万ドルもしくは免責控除額のどちらか低い方なので、もしも控除免責額が3万ドルであれば3万ドルの請求、10万ドルの免責額であっても5万ドルの請求になる可能性があります。

建物の損害保険額と控除免責額急騰の理由
 この改定の背景には、近年カナダ全域において損害保険料と控除免責額が驚くほど上がったことがあります。控除免責額で言えば、以前はアルバータ州で$2,500〜$10,000が相場だったのが、現在は$25,000〜$100,000、もしくはそれ以上に跳ね上がっています。もともとハイリスクの建物損害保険ですが、大型コンドの建設が増えた事、保険金請求件数が増えた事、修復費の値上がりなどが、近年の保険料の大幅な上昇につながっていると言われています。
 保険金請求件数の増加については、近年州内で相次いだ自然災害も要因になっているようです。2013年のカルガリーの大洪水や2016年のフォートマクマレー周辺の山火事による大被害を覚えていらっしゃる方は多いと思います。極端な例では、あるフォートマクマレーのコンドミニアムでは、損害保険料が一年で690%も増加したそうです。カルガリーのコンドミニアム損害保険料も2018年から2019年にかけて30%超の増加が見られたそうです。


コンドミニアム損害保険の見直し
 この一連の動きを受けて、カナダコンドミニアム協会(Canadian Condominium Institute)は、コンドミニアムの住戸所有者に対し、現在加入しているコンドミニアム保険が最大5万ドルまで控除免責額を補償するかどうかを、保険代理店や保険会社に問い合わせることを勧めています。この改定により、個人が払う年間の損害保険料は、おおむね5〜10%の増額 になりそうです。


参考文献
●Service Alberta Condominium Rules
https://www.alberta.ca/condominium-rules.aspx
●Canadian Condominium Institute North Alberta Chapter
https://www.ccinorthalberta.com/important-information-about-condominium-insurance-for-condoowners/
この記事は一般的な参考情報の提供を目的にしたもので、内容の完全かつ正確な記述に努めていますが、皆様がこの記事を利用したことにより被ったいかなる損害についても、ジャパナビは一切の責任を負いませんことをご了承ください。






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