JAPANとALBERTAから、JAPANAB(じゃぱなび)と名付けられた無料タウン情報誌。
アルバータ州在住の輝く日本人に焦点を当て、面白く、役立つ情報を発信中。
季刊誌「Japanab」は、2022年1月発行の「Japanab vol.39 2022 January」より、1月と7月の年2回刊誌に刊行サイクルを変更いたしました。
引き続き変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2019 October - 労働環境悪くない!アルバータのミツバチ

 2007~2008年、アメリカの養蜂場のミツバチが大量に姿を消した蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん・Colony Collapse Disorder)。ミツバチ失踪や大量死の背景には、ダニやウイルス感染のほか、農薬、ストレスといった様々な要因が絡み合っていると言われています。カナダでもミツバチのコロニー(群れ)崩壊は約2015年頃からかなりの頻度で発生しはじめ、今年初めの極端な冬の寒さでミツバチの個体数がさらに減少。最近のニュースでは、ミツバチ減少に影響を及ぼすとされる2種類のネオニコチノイド系農薬の屋外使用を段階的に廃止することを発表しました。
 その真相を探りに、カルガリーのヘリテージパーク内にあるABC Bees養蜂場を訪れ、創設者のエリース・ワトソンさんに巣箱見学をさせてもらいました。


ミツバチが大量失踪してるってホント?
 そんな悲観的な事ばかりじゃないわ!国際的にミツバチ減少の懸念は弱まってます。ダニやウイルス感染に関しては、カナダとアメリカでは状況が全く異なる。実際、カナダはアメリカからのミツバチ輸入を禁止してるから、生息する蜂の種類が違うわ。カナダのミツバチは、必要な場合はオーストラリアかニュージーランドから輸入してます。それに、アメリカのミツバチは色んな果樹園に出張し年中働いてるけど、うちのミツバチは冬は休暇、過労はないのよ!
 私達には広大で豊かな土地と自然、夏の長い日照時間が豊に育む顕花植物のお蔭で、高い栄養価の良質な蜂蜜がとれます。カナダは蜂蜜生産に厳しい基準を設けているから、安全性にも定評があります。実際、カナダのミツバチの個体数は増加してるし、蜂蜜の輸出量も増えています。この辺一帯には自然のサスカツーンベリーがいっぱい!アルバータとサスカチュワンの蜂蜜は世界で最も求められている最高品質。アルバータにおける一番の輸出先は日本なのよ。ハチミツだけじゃなくて、ロウソクやつや出しワックスなどに使われる「蜜ろう」、サプリメントや化粧品に使われる「プロポリス」、スキンクリームや健康食品として使われる「ロイヤルゼリー」なども含め、ハチミツの付加価値産業は毎年増加しています。おかげで、ミツバチの値は上がってるわ。幾らか想像つかないでしょ。約1kgで約260ドルです。


巣箱の中、お邪魔します  ABC Beesのミツバチはセイヨウミツバチ。一匹の女王蜂を中心として少数の雄バチと多くの雌バチ(働き蜂)によって構成されています。女王蜂は巣の中で最も体が大きく産卵が主な仕事です。女王蜂の産卵能力は、夏は一日に2000個。雄バチは、子孫を作る役割。雄バチは針の代わりに生殖器があります。役割が終わると餌を分けてもらえず、また巣にも戻してもらえず、死んでしまいます。働き蜂は、巣を維持するための仕事を担っています。針を持ってる方が雌。巣作り、幼虫の世話、餌の蜜や花粉の受け渡しと保管作業、巣の警備など、しっかり役割分担されています。巣の外では、花蜜の採蜜、花粉採集が主な仕事です。セイヨウミツバチの場合は、働き蜂が新たに女王蜂を幼虫から飼育生成するので、女王蜂がいなくなっても幼虫に働き蜂がロイヤルゼリーを与えて、新たに女王蜂を育てます。
 ABC Beesは初心者への養蜂教育、また中級者やプロの養蜂マネージメントを提供しています。国外に講演に行く事もあります。カルガリーに13の巣箱、郊外の農場に57の巣箱を所有。弊社の養蜂は全て自然受粉で一切抗生物質を含む農薬を使いません。ヘリテージパーク内において、6月~8月まで毎週水曜日に養蜂場の有料ツアーを開催。来年の夏、是非体験してね!

ABC Bees - Apiaries & Bees for Communities
abcbees.ca
養蜂場ツアー企画/協力 Knifewear






0 件のコメント:

コメントを投稿