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2018 January - 意外なところに!カナダ産の粉からし

 納豆パックに有って当然、無いと物足りない、存在感はちょっと薄いがピリッときいた名脇役、からし。おでんも然り。からしとしての脇役だけでなく、実は私達が昔から食べ慣れ親しんだ調味料にも身を潜めて活躍しているのをご存知だろうか。どこのご家庭にもあるであろう日本のマヨネーズの原材料を見ると“香辛料”とある。これに含まれるのが「粉からし」。私達が知らず知らずに食しているカナダ産の香辛料について、レスブリッジ市に工場を構えるサカイスパイスのセールスマネージャー、曽山美穂さんに詳しく教えて頂いた。

日本で食べる“からし”はカナダ産?
 からし(英語で言うマスタード)は紀元前から薬用として歴史書に登場する。マスタードシードを圧搾乾燥により油分を取り除くことで「粉からし」と変化し17世紀にヨーロッパで食用スパイスとして大普及、世界中で愛される香辛料となった。日本で好まれる辛味の強い和がらしの原料は、オリエンタルマスタード。また、ホットドックに使うのがイエローマスタード。マスタードシード生産量世界トップクラスのカナダ、中でも一番の生産量を誇るのが隣州のサスカチュワン州。マスタードシードはからし菜の種子、からし菜はキャノーラと同じアブラナ科に属する。からし菜はキャノーラに比べて、乾燥や高温、霜に強い作物で中央カナダの乾燥した風土がマスタードシードの耕作に適している。日本ではほぼ生産されなくなったマスタードシード、なんと、国内需要ほぼ全量をカナダから輸入している。特に、オリエンタルマスタードシードは日本など一部の国でしか好まれないため生産量は少なく、わざわざカナダの農家に生産を委託し日本国内の需要を支えている。

粉からしはこんなところにも?
 粘り気、殺菌作用、保温効果があり、マヨネーズの香辛料としてだけでなく、加工肉製品、BBQソース、ドレッシングにも少量ながら多くの食品・調味料に含まれる粉からし。日本食レストランの多くが使う粉わさび。実はこの粉わさび、粉からしと粉ホースラディッシュ(わさび大根)から作られているって、ご存知?サカイスパイスでは、粉わさびも人気商品の一つとして生産している。

粉からしの将来性を見抜いた創業者
 60年以上前から埼玉県でからしの製造会社、芥子屋四郎を経営していた酒井四郎氏が、日本産マヨネーズの将来性と、その香辛料である粉からしの可能性を見出し、1995年レスブリッジ市にサカイスパイスを創設。レスブリッジ市を選んだのは、マスタード栽培が盛んなカナダの中心部に工場を構えることで、マスタードシード生産者とのコミュニケーションを円滑にし、マスタード育成状況をいち早く把握し、最高レベルの辛味、うま味を持つマスタードシードの安定供給を確保できるから。現社長のマックファーレン氏もマスタードシード業界の出身で、類まれな購買能力と業界のネットワークを持つ。サカイスパイスは、マスタードシードを粉にする工程で油を除去する技術について特許を持ち、油を搾取する分、栄養成分やプロテインが高い粉からしを生産。80%の取引先が日本の会社。日本の顧客の方針や日本の食品基準に合わせているので、品質管理はとても厳しい。取材で工場を見せて頂いたが、徹底した衛生管理の行き届いた塵一つない清潔な環境。これだけ厳しい基準を満たしているので、安心して食べられますと胸をはる曽山さん。「会社の方針で、毎朝粉からしや、粉わさびの味見をするのですが、味見して欲しければ、鮪持ってこい!って。勘弁してほしいです。」と笑う。

協力:Sakai Spice (Canada) Corp.
取材:じゃぱなび編集部




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